2016年5月 3日 (火)

憲法記念日に

ピーター・パンの原作戯曲で、ティンカー・ベルが死にそうになったとき、妖精の存在を信じる観客の拍手で元気になるという場面があるらしい。妖精は、信じる人がいないと生きられない存在。
実は憲法も同じだ、と最近思う。皆がその権威を信じなくなれば、効力はなくなってしまう。そもそも権威とはそういうものだけれど。
「日本国」が国家として成立しているのはなぜかと考えてみれば、それは皆が「正当だ」と信じているルールに則って憲法を制定し、尊重し、遵守しているからだと思う。そういう意味で、憲法を守ること(必ずしも「護ること」ではない)は、日本国を護ることだと思う。

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2014年12月 7日 (日)

Once ダブリンの街角で

ミュージカル「Once ダブリンの街角で」を観ました。

トニー賞受賞作なのですが、授賞式のハイライトは地味な印象で、一言でいうと「静かなミュージカル」(ミュージカルにおける「静かな演劇」)という感じでした。実験的で、正直なところそれほど面白くなさそうという印象でした。しかし、トニー賞では高評価だったし、これは劇場に行かないとわからない良さがある作品かもしれない、と思ってチケット代は高めでしたが思い切って行ってみました。

結果、とても良かったです。「面白かった」とも「感動した」とも違う「とても良かった」。

非常にシンプルな物語をシンプルな装置で、とてもゆっくり繊細に描いていて、ハイライトで抱いた「静かなミュージカル」というイメージは間違っていませんでした。劇場に行って、外の世界から遮断された空間でなければ感じることのできない演劇ならではの感覚。この良さはテレビでは絶対にわからないと思います。

音楽もいわゆるミュージカルらしい音楽ではなく(あまり音楽の分類を知らないのですが、フォークになるのでしょうか?)、好んで聞くタイプのものではなかったのですが、余韻に浸りたくなって、パンフと一緒に珍しくCDを衝動買いしてしまいました。

劇場の良さもありました。「EXシアター六本木」というテレビ朝日関係の比較的新しい劇場で、900席という中劇場サイズで、ライブも行えるような音響の良いホールのようです。非常に繊細な音を出すこの作品にはピッタリでした。

言葉が少ないので、僕のように字幕に頼らないといけない人にとっては、字幕を追うのが楽で見やすいというのもありました。字幕と言えば、この作品はアイルランド人とチェコ移民の話でチェコ語で話す場面があり、日本語字幕とは別に、もともとの演出上の字幕があるのですが、その使い方がユニークでした。チェコ語で話している設定の台詞を、俳優は英語で話し、チェコ語の字幕が出るのです。こういう、この舞台独自の約束ごとみたいなものがいろいろあって、演出はとても面白かったです。

万人受けする作品ではないけれど、僕のようにミュージカルとストレートプレイが両方好きな人は、好きにになる作品だと思います。

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2014年9月12日 (金)

朝日新聞の吉田調書記事取り消しについて

朝日新聞が、当時非公開だった「吉田調書」を入手して発表した記事を取り消した。理由は「『命令に違反 撤退』という記述と見出しは、多くの所員らが所長の命令を知りながら第一原発から逃げ出したような印象を与える間違った表現のため」(9/12朝日朝刊)。

自らの記事を検証し、誤りがあれば認めて修正する、これは正しい姿勢だと思う。しかし、この「取り消し」にあたって、取り消しに値するかどうか十分な検証を行ったのだろうかという疑問を抱いてしまった。

問題の記事は僕も当時読んでいる。たしかに、見出しには違和感があり、ゴシップ雑誌のような見出しの付け方だなという印象を持った。「結果的に吉田所長の意図に反して撤退」というのが妥当な表現だろうと思った。しかし、記事を読んでそのように思ったということは、取り消し理由とされるような誤った理解はしていないということになる。だから、今回朝日新聞が何を問題視して、何を謝罪しているのかピンとこない。

僕だけの特殊な受け止め方かと思ったが、今日の朝刊に掲載されている識者の見方でも「『命令違反』『撤退』という見出しや記事のニュアンスに違和感を覚えた」「『命令違反』とまでは言えないとも思っていた」と言われていて、見出しの表現には不適切な点があったものの「多くの所員らが所長の命令を知りながら第一原発から逃げ出したような印象」は受けていないことがわかる。

きちんと記事を読めば間違った印象は与えないし、仮に与えたとしても、表現の問題であって事実関係に誤りがあった訳ではない。訂正することはあっても取り消しは行き過ぎではないかと思う。記事を取り消すことによって、誤報や捏造があったという、間違った印象を与えてしまうのではないか。実際Twitter上ではそのような誤解をしていると思われるツイートが見受けられた。

どうして、訂正ではなく取り消しまで踏み込み、さらには編集担当の取締役の解任までするのだろうか。
慰安婦問題の記事撤回についての池上氏の文章掲載見送りで批判を浴びたので、その反動で過剰な対応をしてしまったのではないか。
ひょっとしたら、原発推進派から圧力があってのことなのかもしれない。
取締役が解任されるのは、実は社内の派閥争いなのかもしれない。
「プロメテウスの罠」の単行本が、朝日新聞社ではなく学研マーケティングから出版されていることを考えても、いろいろな内部事情があるのかもしれない。

そう考えていて思い出したのが、池上氏の記事掲載を見送った理由。慰安婦問題の記事を巡って、激しい抗議行動が起こっており、社員の安全も考えると掲載を躊躇したというようなことだったと思う。もしかしたら、それと同じ論理で記事取り消しの判断をしたのではないだろうか。つまり、「命令違反」の記事にも激しいバッシングがあって、事態を収拾するために記事を取り消して謝罪したのかもしれない。

AERAが「放射能が来る」という見出しを出して批判された時も、記事の内容については訂正はしなかったものの、「福島の人の気持ちに寄り添っていなかった」というような理由で謝罪会見を開いて事態を収めたと、聞いたことがある。それと同じようなことなのかもしれない。だったら、何を謝罪しているのかピンとこないのは当然だ。

もしそうだとすると、自らの記事を検証して改めるという姿勢とは反対で、圧力に屈して主張を曲げたという非常に残念な話ということになる。しかし、短絡的で脅迫的な抗議活動が増えているらしい最近の状況を考えると、仕方ないのかもしれない。吉田調書が政府から正式に公開されるまで耐えてくれたことを、誉めるべきなのかもしれない。

まあ、こんな憶測がすべて邪推であり、公正な検証の結果であってくれることを祈りますw

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2014年6月29日 (日)

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

ミュージカル「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」を観ました。

実話を元にした、ディカプリオ主演のあの映画のミュージカルです。映画は観ていないのですが、音楽が「ヘアスプレー」やドラマ「SMASH」のマーク・シャイマン&スコット・ウィットマンということで注目していた作品です。

音楽は期待通り、JAZZを中心にした王道ミュージカルという感じで、バンドも良かったし、ダンスも当然JAZZでとてもカッコ良かったです。特に、今井清隆さん演じる捜査官ハランティとアンサンブルダンサーによるナンバー"Don't Break the Rules"は、かなりハードなダンスナンバーで、リアルにショーストップ(拍手が凄すぎて、俳優が次の台詞になかなか入れない状態)が起きました。日本では、よくあることではありません。

ただ、楽曲は良いものの、全体としてはバラエティに欠ける感じがしました。男性目線で物語が進むミュージカルに傑作は少ないというのは僕の持論ですが、本作も少年詐欺師とそれを追う捜査官、少年の父親にスポットが当てられているので、どうしても男声ソロ曲とダンスナンバーが多くなります。新妻聖子さんが演じる、詐欺師の恋人には、終盤でそれこそショー・ストップ・ナンバーがあるのですが、物語を締めるために唐突にくっつけたような印象がありました。

コメディーなので、小劇場的な笑い(アドリブや素()を見せるような演出)も取り入れていましたが、そのわりにマイク音量が大きすぎるのか、違和感がなくなるのに時間がかかりました。装置はおそらくシアタークリエの制約で、基本となる装置が固定なのですが、長方形の吊り物(何と言ったらいいのか、観た人には伝わると思います)を使った転換が効果的でした。

毎度ながら、いろいろ欠点を挙げてしまいましたが、「ここが惜しい」と言いたくなってしまうのは、なかなか良かったという裏返しでもあります。

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2014年5月25日 (日)

アナと雪の女王

1週間前ですが、ようやく「アナと雪の女王」(日本語版)を観ることができました。

考えてみたら、ディズニー映画は「ノートルダムの鐘」「ファンタジア2000」以来、十数年ぶり。CGアニメをまともに見たのも、「トイ・ストーリー」以来で(「アバター」も観ていない)、その間の技術の進歩にひたすら感心してしまいました。

CGアニメなのに動きが滑らかなこと!人物の動きや表情が、ちゃんとディズニーらしくて魅力的でした。「トイ・ストーリー」の頃は、CGの動きがぎこちなくて、だからこそ「おもちゃ」という題材を選んだのだと思いますが、「アナ~」では技術の進歩を見せつけるかのように、絵画の前でアナが絵画の人物の真似をするシーンや、人形と一緒にロボットダンスを踊るシーンなんかがあって「うわっ!すごいっ!」と感動してしまいました。氷の透明感や猛吹雪など、手書きでは表現できないCGならではの題材だと思います。

映像がきれいだし、ミュージカルとしても楽しいシーンがいっぱいあるので、これは映画館で何度も観たくなるのがわかります。僕も時間さえあれば、もう一度(今度は英語版で)観たいです。

最後に作曲家について。自分の中で全然結びついていなかったのですが、作曲のロバート・ロペスは「アベニューQ」「ブック・オブ・モルモン」の人でした。どおりで楽しい曲がいっぱいある訳です。しかし今回、歌曲(Song)と音楽(Score)の名義が別人になっていて、ミュージカルとしては珍しいなと思いました。シーンの展開に合わせた音楽を作るのは得意じゃないのでしょうか。

もう一つ最後に。同時上映のミッキーの短編も凄かったです!これだけでも観る価値あり。

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2014年5月 6日 (火)

熱を出して考えること

近年、熱を出して寝込んだ時に、考えることがあります。

大人になって一人で暮らしていることもあり、インフルエンザのような高熱を出すことは、もう長いことありません。しかし、38度くらいの熱でも結構つらいときはあります。そんなときは、数日の辛抱だと思って耐えるしかありません。では、これがもし、どんどん苦しみが増すばかりで死に至る病気だった場合は、どんなに苦しいでしょうか。

僕の母がガンで亡くなってから、今月で10年になります。あの時の自分は、母を失う自分の悲しみに向き合うのがやっとで、母の苦しみを考える余裕が全くありませんでした。今考えると、何もできなくても母のそばに1時間でも長く居てあげるべきだったし、1日も早く麻酔を増やす決意を(意識が戻らない可能性があっても)するべきだったと思います。もちろん、これは今だから言えることで、その時なりに最善を尽くしていたのだと思います。

当時は「正常性バイアス」のようなものもありました。医師から深刻な事態を告げられても、まだ先の話のように感じていたり、普段通りの生活を続けようとしたりしていました。友人と遊びに行く約束や芝居のチケット予約をどうしようか、なんてことも実は考えていました。後から考えるとそれどころじゃなかったのですが、実感がなかったのか、一種の現実逃避だったのか、あるいは逆に、現実とはそんなものなのか。

今となっては、僕らが心の準備をするまで、苦しみに耐えてくれた母に感謝するのみです。

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2013年10月 6日 (日)

劇団四季ソング&ダンス感謝の花束


劇団四季ソング&ダンス感謝の花束(全国公演版)を観てきました。
ロビーに入ったら35ステップス(最初のソング&ダンス)の序曲が流れていてテンションが上がりました!そして花束という名にふさわしく、短い時間に多くの名曲を詰め込んでいて大満足でした。編曲でうまく短くして、1曲でも多く入れようという感じがしました。いろいろ観た気になりましたし、また元の作品を観たくなりました。
最近何度か、劇団四季の全国公演を首都圏で観るのですが、舞台から客席までの距離が近い四季劇場で観るお芝居の良さとは違った、大きいホールを満席にしてやるパフォーマンスの良さがあります。観客もリピーターが比較的少ないので新鮮な反応があり、四季が専用劇場を持つ前の頃の高揚感が感じられます。

欲を言えば、曲目がロイド・ウェバーとディズニーに偏っていたのが残念。過去の作品と同じにならないように、というのはあるのでしょうが、60周年なのだから仕切り直して、劇団史を総ざらいするような構成にしても良かったのではないかと思います。ジョン万次郎の「日本とアメリカは友達」みたいな歌をソング&ダンスで歌われても浮いてしまうし。入れるなら李香蘭の「中国と日本」や南十字星のナンバーと一緒にしないと不自然。
構成のことをさらに言えば、前々から思っているのですが、ヴォーカルパート、ダンスパートに加えて、アクターパートを作って、ストレートプレイを含む代表作の名台詞の朗読を組み込んだらいいと思います。
あともう一つ。ファミリーミュージカルだけのソング&ダンスも作って欲しいですね。もちろん「みんなで歌いましょう」の連発で!

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2013年7月18日 (木)

妄想ミュージカル「選挙!」

ミュージカル「選挙!」

第1幕

M1「選挙!」
人生で起こることは すべて選挙で起こる
誰に入れるか 誰に入れるか 誰に入れるか 今年の選挙!

政治家の娘と、その彼氏のデュエット
M2「もうすぐ20歳」
もうすぐ20歳 もう大人よ 選挙にだって行けるわ
まだまだ子供さ 僕が必要
僕はもう25歳 候補にもなれるさ

支援者たちは、解散に備えて準備しろと歌う
M3「準備しておけ」

彼女の父は病に倒れ、出馬を断念する
M4「夢破れて」

支援者たちは後継者として、娘の彼氏を担ぎ出す
M5「You can do it !」

支援者たちが選挙のしきたりを教える
M6「しきたりの歌」

操り人形のようになった彼は、本当に立候補するべきか悩む
M7「私は選挙がわからない」

彼女は「あなたはあなたのやり方でやればいい」と歌う
M8「パーティー・オブ・ユア・ワールド」

彼は決意を固め、締切ぎりぎりに選管へ立候補を届け出る。
M9「時間通りに選管へ」

第2幕

公示日を迎えて、候補者たちは演説を始める
M10 「街頭演説クインテット」

彼女は父の復帰を願って歌う
M11「もう一度駅前に現れて」

彼は政見放送の撮影で大失敗
M12「撮り直すことはできないのですか」

討論番組に出演が決定
M13 「語り明かそう」

討論番組に出演して心から政治の面白さに目覚める
M14「政治家はいいもんだ」
M15「すべてのビール箱に登れ」

真剣に演説をする彼に、支援者たちはもっと大衆を意識しろと言う
M16「ポピュリズム」

ゲイのドラマーの候補者に選挙協力を持ちかけられる
M17「選挙区 for you, 比例区 for me」

いろいろ言われて悩む彼に、彼女はまた歌う
M18「パーティー・オブ・ユア・ワールド」(リプライズ)

最後の追い込み
M19「自転車は私の切り札」

M20「あと一日」

M21「夜明け」

(幕)

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2013年6月30日 (日)

4Stars

先週、4Stars というレビュー(コンサート)を聴いて来ました。
ブロードウェイの「ミス・サイゴン」初演キャストのレア・サロンガ
オペラ座の怪人25年記念キャストのラミン・カリムルーとシエラ・ボーゲス
日本代表として、最近ミュージカルでも活躍する城田優

海外スターのコンサートって行ったことがなかったのですが、これだけのメンバーが揃って一週間以上もコンサートをするというのも珍しいし、チケット代も日本のミュージカルと同レベル。ということで、知ってすぐにチケットを買いました。
ただ、知ったのが遅かったので、一番端の席。そのせいか、もともとの機材が安かったのか、始まった瞬間は「何この音響?!」とガッカリ。しかしながら、それを上回る素晴らしいパフォーマンスに引き込まれました!

シエラの「夢敗れて」は鳥肌がたったし、ブロードウェイでオリジナルキャストだった「リトルマーメイド」のPart of your world は、(マイクの破裂音が酷かったものの、それでも)先週観た四季の舞台以上に感動しました(もちろんそれは、四季で観て歌の意味がわかっているからこそなのですが)。
レア・サロンガの「オン・マイ・オウン」「命をあげよう」も感動的でした。年齢的に、その役を演じることはもうないのでしょうけど、一曲でドラマの世界が再現されるようでした。
ラミンのファントムは歌声が力強くて、少しハスキーな声質もセクシーで、これならクリスティーヌがラウルと迷うのがわかるなぁという感じでした。映画のジェラルド・バトラーからファントムのイメージが変わった気がするのですが、もしかしたら本来は元々そうなのでしょうか。市村さんのキャラが特殊だったのかもしれません。そういえば、最初は沢木順さんが第一候補だった訳で、それならジェラルド、ラミンのラインと近い気もします。
城田優はMCを兼ねるのかと思っていましたが、そうではなく対等なポジションでの出演でした。たしか以前「スウィニー・トッド」で彼の歌は聴いているので、「ミュージカル俳優」と言えるだけの歌唱力があることは知っていましたが、今回「実力のあるミュージカル俳優」という認識になりました。

選曲もほとんどが知っている曲、あるいはタイトルは知っている有名なミュージカルの名曲揃いで、ミュージカルファンとしては、とても楽しいショーでした!

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2012年10月 7日 (日)

格差が社会に与える影響

NHK Eテレの「スーパープレゼンテーション」で放送されていた、格差が社会に与える影響についてRichard Wilkinson の講演が面白かったので、検索してみました。日本語訳も表示できます。
竹中平蔵が「貧困は問題だけれど、格差は問題ではない」と言っているのを聞いて、「いや、格差=相対的貧困こそ問題だろう」と思っていましたが、これだけはっきりデータで見せられるとスッキリします。
「アメリカンドリームを叶えたいなら、デンマークに行くべき」は名言です。

http://www.ted.com/talks/lang/en/richard_wilkinson.html

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